2008-05-12
七姫幻想
今年は源氏物語千年紀ですね。この著者の森谷さんは千年の黙―異本源氏物語で鮎川哲也賞を受賞された方です。
『千年の黙』は紫式部と彼女に仕える少女が探偵役なのですが、とても楽しめたので、この方の次回作をすごーく待っていました。それで、ときどき検索をかけていたのに最近までこの本に気が付かなかったという…。検索をかけるとき著者名の字を間違っていたのだろうか??とっくに出てたんですねぇ。
昔から、洋の東西を問わずお姫様の出てくる話は好きです。七姫というのは、たなばたの織姫の七つの異称で、この本も七つの物語からなっています。時代や設定が変わっていくのですが、共通する登場人物も出てくるし、どのお話にも、ある特殊な能力を持った一族出身の女性がかかわっています。
ほとんど悲恋でしたし、ちょっと怖いようなお話もありました。でも内容はファンタジーなので、そんな悲惨さは感じません。古典の世界の雰囲気は漂っていますが、文体は完全に現代ですしスイスイと読みやすいです。
面白いのが、ちょこちょこと歴史上の人物が出てくること。軽皇子とか、清原元輔とか。そう、元輔が出てくるので、その後の話に出てくる“少納言”が、ただの“少納言”ではなく、清少納言なんだ!とわかりました。一言も清少納言とは書かれていませんが…。
私はその少納言が出てくる「朝顔斎王」(娟子内親王)のお話が一番好きです。唯一この話だけが、ハッピーエンドですし。私は源氏物語でも、朝顔の姫君が一番好きなんですよね。某作家には、「紫式部が、何のためにこの姫を書いたのかわからない」とまで言われていましたが…。同性として、女としての魅力よりも、感情を抑えて、頭よく賢く立ち回る人に惹かれるのよね。
現在、朝日新聞の夕刊のニッポン人・脈・記で、<千年の源氏物語>が連載されていますが、5/9に森谷さんが出ていました。なんと今年『千年の黙』の続編が出るとか!嬉しいです!千年紀の今年はまだまだいろいろ源氏物語に関する本が出版されるようですし、結構源氏好きな私は楽しみにしてます。
この本を読んでから、急に大鏡が読みたくなって、本棚の奥から苦労して引っ張り出しました。学術文庫って、文庫だけどお高いよね。栄華物語も、文庫で持っていたような気がするんだけど見つからない…。

