2007-03-26
天山の巫女ソニン1 黄金の燕
菅野雪虫/著 講談社/発行 2006.6再読に耐えうる本です。←これは児童書で私が一番重要だと思っていることで、最大のほめ言葉です。
ハリーポッター以来、ファンタジーは本当にたくさん出版されていて、読んだ中にはそれなりに面白い物もありましたけど、ここまで私の趣味にピッタリくるものは無かったわ。
最初少し十二国記を思わせるような雰囲気を感じました。タイトルは天山の巫女となっていますが、正確には巫女の素質が無いということで、天山から帰された女の子が主人公です。ソニンは生まれてすぐ天山に連れてこられ、全く外の生活を知らなかったわけですが、カルチャーショックを受けながらも、天山で得た知識と生来の素質で困難を切り抜けていきます。
この突然帰ってきたソニンを迎える家族がまたいい味出してます。特に無口なお父さんがソニンの一番の理解者ですね。友だちのミンも、厳しい境遇にもかかわらず、ソニンの影響を受けてだんだん変わっていくし。
そして王子様が出てくる!彼女が住む沙維の国には七人も王子様がいるのです。ソニンは巫女の素質が無かったとされていますが、どうも必ずしもそういう訳ではなくて、末の口の利けない王子様と手をつなぐだけで意志の疎通ができるのです。
楽しく、面白くというだけではなく、ところどころに、現代にも通ずるような問題提議や現実社会の厳しさが描かれているのも良い感じでした。児童書ではそういうものが結構、教訓臭くて鼻につくときがありますけど、この本は無理なく素直に読めましたね。
感情を表に出してはいけない巫女として育てられたソニンが、少しずつ感情豊かになっていく課程も感じられたし、過不足ない物語でした。
本の装幀もGood!2巻も期待大です。

