2007-11-10
真珠のドレスとちいさなココ
ドルフ・フェルルーン/著 中村智子/訳 主婦の友社/発行 2007.7フリガナはちゃんとふってありますし、小学校中学年からでも読めるとは思うのですが、内容的には高学年向きでしょうか。
可愛いタイトルに可愛い装幀なのですが、この表紙の女の子の目の中に映る黒い人影が…。実は奴隷所有者の女の子のお話なのです。
12歳の誕生日に真珠が縫いつけられた青いドレスと、小さな男の子の奴隷をプレゼントされたマーリアという女の子が主人公。この子の日記のような、散文のような40のエピソードからなる本です。
パラパラめくったときは詩の本かと思いました。あっという間に読めてしまうのですが、なかなかすごいです。短いエピソードと12歳の女の子の語り口で奴隷がどんな扱いを受けていたのか、その時代の雰囲気が伝わってきます。また彼女の家も決して幸せではなく、奴隷を所有していることによって生じるトラブルもたくさん起こるのです。
あとがきに「私たちの誰もが、ちっぽけではあっても大きな歴史の一部分をつくっている」という言葉がありました。自分が生まれる前に起こったことであっても、その国で暮らしている限りは、国民それぞれが負うべきものがある…。私はずっと海外に行ってないし、それを実感することは普段の生活の中でほとんど無かったですが、もっとそういうことに敏感になりたいと思いました。
作者はオランダ人。このお話は17世紀半ばからおよそ二百年にわたって続いた植民地時代の南米のスリナムを舞台に書かれています。

