2006-09-20

ジュリエッタ荘の幽霊

ジュリエッタ荘の幽霊 
ベアトリーチェ・ソリナス・ドンキ/著 エマヌエーラ・ブッソラーティー/絵 長野 徹/訳 小峰書店/発行 2005.7

久々の児童書です。私はこの本のタイトルと表紙カバーの見返り部分の説明を読んで「思い出のマーニー」みたいな本を想像していました。あの物語全体にうっすら霧がかかっているような雰囲気、そして最後に光が射し込んでくるような謎解きがされる展開が大好きでした。
結論から言うと「思い出のマーニー」とは全く違います。戦争中の話なのですが、受ける印象がとにかく明るい。本の装幀のせい?舞台がイタリアだから?季節が夏だから? うーーん。
主人公は田舎に疎開しているリゼッタという女の子です。もう少しレジーナとの友情の強さみたいなものを表す展開が挿入されていれば、ラストの彼女の行動がもっと引き立ったような気もします。秘密を守り抜くことが、友情を表しているとも言えますけど、それだけだとちょっと弱いような…。
しかし太平洋戦争中の日本の疎開の話など読むと暗い気分になりますけど、ここでは女の子達が川で水浴びをしてる場面から始まっているし、食料の配給が少ないという描写はあるものの、ひもじさを思わせる感じもない。当時の北イタリアはこんな感じだったのでしょうね。
戦争の話として読むにはものたりませんが、人の命に係わる秘密を守り勇敢に行動する女の子の話として受け止めました。
 banner.gif 

theme : 読んだ本。
genre : 本・雑誌

2006-09-18

憑かれた鏡 −エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談−

憑かれた鏡 エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談E・ゴーりー/編 柴田元幸・小山太一・宮本朋子/訳 河出書房新社/発行 2006.8

ときどき恐い話が無性に読みたくなるときがあります。この本は副題に惹かれて手に取りました。
ゴーリーは結構好きです。いや好きというか…この方の本は妙に気になって何度も開きたくなるという感じでしょうか。ただ私はそんなに昔からのファンというわけではありません。最初に読んだのが、2004年発行の「おぞましい二人」ですから。これは本当におぞましい話で、最初は「ウッワーー」と思いましたが、ゴーリーの絵はどこか滑稽な感じがしたり、淡々とした雰囲気だったりして、この夫婦にとって殺人が日常だったんだろうなと自然と納得させられます。それがまた別の意味でおぞましいのですが。
この本の解説で濱中利信氏も書いていますが、私も全く同じことを考えました。すなわち「ゴーリーにしては意外と<普通>だなぁ」ということです。とにかく有名どころがずらりと並んでいます。ディケンズ、スティーヴンスン、ネズビット、ストーカーetc。傑作揃いではあります。
以前読んだことのある話もいくつか入っていましたが、訳者が違うので雰囲気も違いました。とくに「猿の手」は、私が以前読んだときの印象とずいぶん違いました。たぶん以前読んだときは少年少女向けの本だったのか、訳がとても明快だったのだと思います。こちらの方は想像力をかき立てられる感じでした。昔読んだ文章を良く覚えるなぁと自分にあきれたのですが、それだけこの「猿の手」の話がインパクトがあって好きだったんでしょうね。
あと私は「信号手」が好きです。ゴーリーの挿し絵も、全12話の中でこれが一番好きですね。
banner.gif

theme : 読んだ本。
genre : 本・雑誌

tag : エドワード・ゴーリー

2006-09-15

ドリーム バスター 3

ドリームバスター〈3〉宮部みゆき/著 徳間書店/発行 2006.3

大好きなシリーズなんですけど、これってなかなか単行本が出てくれないですよね。忘れた頃にやってくるという感じ。
3作入っていますが、そのうち1作は書き下ろしで、2作が「SF JAPAN」という雑誌(季刊?)の2003年秋と2005年冬に掲載されたものです。間が開きすぎだと思うのですが…まぁその分書店に並んでいるのを見つけると嬉しいんですけどね。
書き下ろし以外の2作は、前作の登場人物のその後のストーリーが楽しめます。
実は私は理恵子に「赤いドレスの女」が見えたとき、「血まみれローズ」だととっさに思ってしまったのですが、完全に勘違いでしたね。あの理屈では理恵子に見えるわけがないし、なによりよくよく描写を読んでいたら「赤いドレスの女」は髪の色が栗色で「血まみれローズ」は黒髪らしいですね。赤いドレスで深読みしすぎました。しかしこんなこと考えた人は他にいないですよね…
書き下ろしの「時間鉱山」は、科学的説明部分はちんぷんかんぷんですが、期待を裏切らない面白さです。新キャラも加わって、続きがますます楽しみ。しかし今回は全然キリの良くない すごい途中で終わっているので、早めに4巻目を出版希望です。
banner.gif

theme : 読んだ本。
genre : 本・雑誌

2006-09-11

絵本があってよかったな

絵本があってよかったな内田麟太郎/著 架空社/発行 2006.7

絵詞(えことば)作家、内田麟太郎さんの自伝的エッセイです。
普通にエッセイとして読んで全く支障はありませんが、絵本好きの方はことさら楽しく読めます。というのは、絵本のタイトルや画家さんの名前がたくさん出てきますから、頭の中に「うんうん、あの絵ね」と思い浮かべられると何倍も美味しいのです。
まぁ内田さんのファンや絵本好きの方がこの本を手に取る確率が多いでしょうけどね。そうでなくても、出てくるタイトルや名前をちょっとメモっておいて、本屋さんや図書館で探してみるのも一興ですね。
絵本と絵童話の違い、童話作家と絵詞作家の違いなど、意識したことのなかった私には瞠目させられるものでした。全然仕事の仕方が違うんですよね。受け手である私はまぜこぜにしてましたけど、これからちょっと新しい視点で絵本を読んでいけるかもしれません。
昨日取り上げた「現代社会への挑戦 今を生きる女子修道会」の次にこの本を手に取ったのですが、内田さんも雑誌「あけぼの」にエッセイを寄せていたんですね。ちょっと不思議な符合を感じました。「憶えてないけど」とお母様のことを書いてあるくだりは、当時の少年リンタロウくんのことを想像してちょっと泣いてしまいました。
banner.gif

theme : 読んだ本。
genre : 本・雑誌

tag : 内田麟太郎

2006-09-10

今を生きる女子修道会−現代社会への挑戦ー

現代社会への挑戦 今を生きる女子修道会女子パウロ会/発行 2006.5

私はクリスチャンではありませんが、修道院の生活というものに興味がありました。シスター達は清く正しく、心の中がキチンと整理されている人と思っているので、ホントおこがましいですけど憧れがあります。
この本は女子パウロ会から出版されている「あけぼの」という雑誌の創刊50周年に際して、全国の各修道会の紹介記事部分がまとめられたもののようです。(実際はそういう説明はないけど…)
読んでみて、本当に私は何にも知らなかったなぁ…という思いです。日本にこんなに修道会があって、それぞれこんなに違う独自の修道生活をおくっているとは驚きました。
教育や福祉に密接に関わり、地域に自然にとけ込んでいる活動修道院もあれば、俗界と隔てられた中で祈り、自給自足の生活を送る観想修道院(←こちらが私の従来のイメージでした)もあり…。もちろん修道生活の根底の部分は共通なのでしょうが。
修道会のお話の他に各界から寄稿されたエッセイもあり、修道会の歴史についても触れています。
印象に残るお話がたくさんありました。私から見れば、とんでもなく凄いことを毎日自然体でこなしているシスター達に頭の下がる思いです。
Laudate(ラウダーテ)女子パウロ会
banner.gif

theme : 読んだ本。
genre : 本・雑誌

検索フォーム
カレンダー
08 | 2006/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール

Author:ひまり
飛花実記
   ↑
トップページはこちらをクリック

飛花実記へようこそ。
自分の周りのものの流れが速く感じられて(歳のせい?)書き留めておきたい気持ちでブログを始めました。
ただし、発売日、購入日などてんでバラバラ…
最近は当初の予定とはかけ離れた方向へ突っ走っております。
注)ネタバレが多々ございますので、お気をつけください。

カテゴリー
最近の記事
月別アーカイブ
Amazon

リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
オススメ♪

FC2カウンター
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSフィード